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 5月の黒鷲旗では堂々のデビューを飾った2人の若武者。菅直哉(大村工業高校→筑波大学、セッター)、柴小屋康行(仙台第二高校 →早稲田大学、レフト)の2選手が語るお互いの印象、ブルーロケッツの印象、今後の目標。要チェックです。

柴小屋 康行(しばこや やすゆき)
ウイングスパイカー
1985.5.22生まれ  A型

――お2人が最初に会ったのはいつですか?
菅 : 高校2年の春高が終わった後に高校選抜の合宿に僕が入っていて、柴小屋がユース代表に選ばれていたのが初めての出会い?だったと思います。でもお互いの認識はなかったね。
柴小屋 : うちは春高どころか県で負けてしまうチームだから見る機会もないだろうし、知らなくて当然だよね。その後でジュニア代表に選ばれて遠征に一緒に行く機会があれば、もっと話をしたかもしれないけれど、僕が落ちちゃったからその機会もなかった。数回の合宿だけだと話をすることもなかったな。
菅 : 当時から、すごいスパイクを打つなぁとは思っていたよ。大学で初めて見たときに「同級生でこんなにすごい奴がいるんだ」と思った。
柴小屋 : それはお互い様でしょ。俺もジュニアで菅を見たときは、パスもうまいし、基礎をしっかりやっているんだろうなぁ、めちゃくちゃ練習してるんだなぁと感心したもん。大学生になって大村工業の練習を実際に見て、「こんな練習を毎日びっしりやったらうまくなるな」と納得した。菅はその典型的な例だよね。
菅 : 確かにこれまでの環境は真逆だよね。苦労してきた人と、あっさりきた人(笑)。
柴小屋 : 苦労はしているって(笑)。確かにバレーの練習は週2回休みだったり、1日の練習も1時間半〜2時間ぐらいだけど、宮城で一番の進学校だから、練習時間が少ない分勉強が大変なんだよ。だから、基礎ができているのと、できていないほうと分けようよ(笑)。
菅 : いやそうじゃないでしょう。でも、たとえそうだとしても秀でた能力がすごいから、その力を認めてもらって上まで来られるのは優れたことだし、うらやましいよ。
柴小屋 : でもその分を今になって苦労してる。「パスも返らないのによくVでやってるなぁ」って思われたらまずいよね。高校時代は自主練習でもやりたいことだけやってきたから、僕はスパイクばっかり打ってきて。基礎をやってこなかったツケが回ってきた。
菅 : 長所を伸ばすっていいことだよ。「もっと基礎が必要だ」と気づいたら、そこからやればいい。長所があることは大きなプラスだよ。柴小屋の場合はスパイクが魅力で、それでVリーグからほしいと言われたわけだから、いくら基礎ができないとは言ってもある程度できるって。自分で自覚しているうちはできるよ。
柴小屋 : 何か10個上の先輩に言われているみたいだよ(笑)。でも日常生活では、意外と菅はしっかりものではないよね。研修とか、人前で話をするときになると、「ヤックン何言う?」とか聞いてきたり、妙に緊張しているよね(笑)。
菅 : 心配性なんだよ。小心者だから、自分が自信のないものには緊張する(笑)。努力で積み上げてきたものには自信を持てるけれど、経験がないものに対しては弱い。逆に柴小屋のほうが、初めてのものに対してもドーンと臨める。うらやましいですよ。

菅 直哉(すが なおや)
セッター
1985.5.17生まれ  O型

――いくつものチームから誘いがあった中、NECに入った経緯、決め手は何でしたか?
菅 : 僕は周りの人に勧められたほうに行きたくなかった。例えば周りが勧めるほうに行って、自分が納得できずに周りのせいにするよりも、自分が行きたいところでやれば失敗も仕方がないと受け止められる。あえてプレッシャーをかけてやれるかなと思って選びました。基本的には考える前に答えが決まっている。それで成功しようが失敗しようが自分の責任だと思っているし、これまでもそれがうまく行っていると思います。どこに行ってもやることは決まっているし、自分が成功しなきゃいけない。そのうえで、このチームでやってみよう、よしNECに行こうと思って決めました。
柴小屋 : 僕は考えて悩んで決めたのに、やっぱりこっちもいいかなぁと優柔不断になる。ただ、NECは合宿で来ることも多く雰囲気自体が好きでした。大学の先輩もいるし、直感的に「いいなぁ」というイメージはありました。あとは、自分の長所を生かせそうなところ、自分のようなタイプがいないチームに行きたかった。NECのように上手さのある選手が多くいる中で、上手くはないけれど思いきったプレーをして、ボコボコ打つような選手が入ったら面白いんじゃないかなと思いました。自分と同じスタイルの人がいっぱいいるところに入っても、誰かの代わりになるだけで個性が薄れてしまう。個性を出せるならNECではないかと思って選びました。
菅 : 確かに「誰かの代わり」と言われたら、それは俺自身のことを見ていないということだよね。俺自身を評価しているのではなくて、誰かの代わりができると見られているのは嫌だな。たとえば柴小屋だったら、「お前のスパイク力がいいからほしかった」と言われたほうが選手としては嬉しいよね。選手は、いろんな素材を集めてつくるチームを求めていると思います。

――ブルーロケッツも今年は変化の年です。期待、不安、どちらが大きい?
菅 : 両方です。正直に言えば、僕は今季で勇退した4選手がいるチームを想像して入ってきたし、とくに細川さんにはぴったりとイメージできていて、これは面白いなと思っていました。それが一気になくなってしまったので、最初は不安でした。でも今はそんなことを言える状態じゃないし、やるしかないかなという感じです。
柴小屋 : みんなチームの看板を背負ってきた人ばかりだったから、これからは今までと別のものを作り出さなきゃいけない。楽しみでもあるけれど、入る前に持っていた安心感が危機感に変わりましたね。先輩もいるし、どこかで「ゆっくりうまくなっていけばいいや」「2〜3年後に伸びるようにしっかり頑張ろう」という感覚があった。でももうゆっくりとか言っていられる状況じゃないし、自分もレギュラーになれるように頑張らなきゃいけない。自分でつかみに行かなきゃいけないと、いい意味での自覚を持てたのかな。
菅 : いい意味で、どれだけ今までのチームの殻を破れるか。「こういうバレーをやっておけば何とかしてくれる」という感覚から、守ってくれるものがなくなったわけだから、いかに違うスタイルで、全く新しいチームをどれだけ早くつくれるか。リーグまで、あっという間だからね。

――では最後に、1年目のシーズンに向けた抱負とファンの方々へのメッセージをお願いします
菅 : あまり追い詰められないように、「2年連続入れ替え戦だったから」というのは自分から切り離して、割り切っていきたいです。まず自分としては試合に出たいから出て、試合に出たら結果を求めたいから結果を残す。そのための毎日だと思います。第1目標としては、試合に出続けること。そして第2目標が、試合に出たら勝つこと。そうすれば勝手に結果はついてくると思います。期待されることに対して最近ちょっとプレッシャーを感じてもいますが、応援してもらえるように、応援したくなるようなチーム、選手になりたい。そして、そうなれるように努力します。応援して下さい。
柴小屋 : 今までと違ってお金をもらってバレーをやらせてもらっている以上は、試合に出てナンボだと思います。教わってきた指導者の方々や会社の方々のおかげで、バレーをさせてもらっているという自覚を今まで以上に持たなければならないと思いますね。会社の人にも、試合や練習に行くことで迷惑をかけていますが、それが僕らの仕事である以上、やはり勝たなければ意味がない。「頑張りました」と言っても負け続けていたらダメだと思うので、勝つように、勝つためにどうしたらいいかを考えながら練習をする。そして試合に出るようになったら、チームとしてリーグで勝つ。「頑張ればいい」ではなく、勝ちを目指してやっていきたいと思います。菅も言ったように応援してもらえるような、応援したくなるような強いチームをつくっていきたいという気持ちを持って頑張りたいと思っているので、応援よろしくお願いします。

(取材・文:田中 夕子/写真:吉田 圭子)